伊東 義博
2023年2月5日13 分
最終更新: 2023年3月25日
「住宅ローンが払えない」場合は、競売になってしまい、自宅は強制的に売却され、落札した方から強制執行という形で追い出されてしまうという結果になります。
競売までの流れや期間の中で「あなたができること」をご説明させていただきます。
こんにちは!
横浜市中区の不動産会社、株式会社ファインエステートの伊東と申します。
私は、横浜市を中心として主に東京・神奈川県内で任意売却・相続不動産(空家・税金の特例を利用した売却術)を専門として、2007年頃より不動産売却のお手伝いをさせていただいております。
お悩みの不動産が1都3県にあるなら、お客様がどこに住んでいても対応しております。
目次
【住宅ローンが払えない時、あなたができること】
1.住宅ローンが払えなくなりそう
2.住宅ローンが払えない【滞納1ヵ月】
3.住宅ローンが払えない【滞納2ヵ月】
4.住宅ローンが払えない【滞納3ヵ月】
5.住宅ローンが払えない【滞納4ヵ月~6ヵ月】
6.住宅ローンが払えない【滞納6ヵ月~9ヵ月】
7.住宅ローンが払えない【滞納9ヵ月~競売落札】
「ケガ・病気や離職等で収入が全くなくなってしまっている」「ハローワークからの収入もなくなる時期」「離婚した相手が約束しているお金を振り込んでくれないと、自分では払える金額ではない」という方は、見直しではどうにもなりませんので、②へスクロールしてください。
住宅ローンが払えなくなりそうなら、まずは徹底的な支出の管理を始めましょう。
1カ月の収入が「いつ」「いくら」なのかを考えてください。
そして、1ヵ月の生活費、住宅ローンの支払い、携帯代、光熱費を確かめてください。
その上で、住宅ローンの支払いをしている銀行に「リスケ」の相談を行ってください。
「現在の収入がどのくらいあって、毎月生活にいくらかかっているか」
を明確に伝えていただき、数か月でも利息の支払いだけにしてもらえれば、その期間に生活を立て直せるかもしれません。
また、それ以外の「金融機関等からの借入の返済」や「自己投資」は残念ですが、競売にならなくてすむように一旦諦めましょう。
また、「パチンコ・競馬等のギャンブル関係はもってのほかです」
「金融機関等からの借入の返済」をしなくなると、個人信用情報に登録されます。いわゆるブラックという扱いになりますが、住宅ローンを滞納し始めても同じです。
住宅ローンの支払いができれば、競売までの最短ルートは回避できます。
住宅ローンのリスケの相談もうまくいけば、これも競売までの最短ルートを回避することになります。
初めて滞納をしてしまった時にできることは、支出の見直しと、リスケの相談です。
そして、もし住宅ローンが払えない事態がこれからも続きそうであれば、早めに任意売却のご相談をください。あなたにとって今後どうしていくのか最良なのかをアドバイス致します。
住宅ローンの滞納をした時は、以下のような流れになります。
住宅ローンが払えなくなって最初の内は、銀行からの電話・ハガキ・メールでの連絡がきます。
まず支払いが遅れて1週間以内に連絡があります。
・お約束の日に引き落としができなかった
・口座にお金を入れるのを忘れていないか
・ご確認ください。
・すでに対応済みの場合はご容赦ください
といった軽めの内容になります。
そこから、2週間程くらいで再度連絡があります。
・まだ住宅ローンのお支払いについて確認がとれていません
・いつまでにお支払いができますか?
といった「住宅ローンの支払いについて期日」を求められる内容になります。
連絡をしてくる銀行の担当者によっては、
・支払いが辛いなら、利息だけの支払にする相談に乗りましょうか?
という良い提案をしてくれる方もおられるようです。
逆に、「現在は転職をしたのか?給料はいくらくらいあるのか?」という確認をされたことがあるお客様もいました。
この銀行担当者の対応については、担当者ベースなのか、銀行での対応マニュアルでの違いなのかは、私の中で答えは出ていません。
電話以外にも、メールやハガキがきているはずなので確認をして対応をしておきましょう。
全て無視するのは得策ではありません。
住宅ローンが払えなくなって2ヵ月目。
あなたにできることは、支出の管理と銀行の担当者への連絡の取り合いです。
リスケが上手くいっていれば、利息だけでも払っていくことが続けられると銀行の担当者へ伝えてください。まだリスケの相談をしていない場合は、手続きができないかを相談しましょう。
払えているから連絡をしないのではなく、「仕事ができるようになり収入アップできそう」「住宅ローンの支払いについてはこれから安定してできそう」な場合でも、そのことを連絡しておきましょう。
もし、住宅ローンが払えなくなって2ヵ月が経っても生活の立て直しが難しい場合は、任意売却の相談をしてください。
この時点から任意売却へ向けて準備ができることで、より良い条件で成功する可能性が高まります。
住宅ローンが払えなくなって2ヵ月が経ってくると、銀行から郵送されてくる書類は、「催告書」「督促状」といった文書に変わってきます。
当然、電話での連絡もきます。
・住宅ローンの支払いはいつ頃になるか
・先月の分も払えるのか
・支払えていない金額に対しての遅延損害金も必要
・このまま支払いができない場合は、管理の部署に変わることになる
という内容になってきます。
いろいろなお客様から話を聞いていますので、あなたが電話に出たくない気持ちも分かります。しかし、これから住宅ローンの支払いができるようになったとするなら、この段階でも、しっかりと銀行の担当者と話をしておかないと、早々に債権回収への手続きをされてしまい、「あと数日あれば・・・」という状況になってしまいます。
この時点であなたができることは、
・任意整理等をするため士業に相談
・任意売却の専門会社へ相談
・競売手続きを待つ
の3種類だと私は思います。
弁護士の先生に相談したら、「自己破産しかない」と言われたというお客様が非常に多いですが、私は自己破産を選ぶかどうかはお客様が判断することだと思っています。
不動産の売却をしたら
・残債が払える金額になった
・一括返済ができてしまった
ということも起こり得るからです。
住宅ローンが払えなくなって3ヵ月が経ってくると、税金も滞納しているという方が多いと思います。
ケースとしてはあまり多くはありませんが、写真の通り「税金滞納による不動産への差押え」がなされると、それを起因として「法律上の手続き=競売の申立て」がされる場合があります。
なぜ債権者が税金滞納による差押えを知っているのか。
それは利害関係人である債権者へも差押えをすることの通知がされているからです。
話を戻しますが、住宅ローンが払えなくなって3ヵ月が経つと銀行の担当者が変わってきて、銀行内での債権回収の部署に変わります。また、手紙やハガキの内容も「催告書」や「督促状」でも債権回収の意味合いが強い内容になってきます。
この時点で滞納している3ヵ月分をまとめて払えなければ、「住宅ローンの残債を全て一括で支払ってもらいます」という通知になっています。
債権者により、この時期に多少のズレはありますが、おおまかに3ヵ月~4ヵ月の滞納で債権回収の部署からの連絡になります。
住宅ローンが払えなくなって4ヵ月・・・。
この時期に、あなたができることは
・任意売却専門の不動産会社を探すこと
・弁護士に債務整理や個人再生、自己破産の相談をすること
になってきます。
もしあなたが
・このまま自宅に住み続けたい
・引越費用が欲しい
・滞納してきた税金の差押を払いたい
と思っているなら、任意売却専門の不動産会社に相談・依頼をしてください。
弁護士の先生が行う手続きでは、引越費用は生まれず、逆に弁護士費用がかかります。
また、自己破産でも税金の支払いは免除されません。
任意売却をした後で、自己破産や債務整理を行っているお客様はたくさんおります。
決して自己破産等を進めるわけではありません。
任意売却をして、より良い新生活を迎えたあとに考えて判断することだと思います。
任意売却後に残った債務をゆっくり無理のない範囲で支払っていくことができます。
諦めずに任意売却の相談をしていきましょう。
この頃には、なにか大きく収入があって今までの滞納分を払えない限りは、競売へ向けた手続きが債権者の中で進んでいます。
そして、債権回収の部署からの電話連絡はほとんどなくなります。
債権回収部署からの郵送物は、「期限の利益喪失」したことで、住宅ローンを分割で支払う権利がなくなったという内容の手紙になります。
もう住宅ローンの残債を一括で支払う事ができなければ競売への手続きを止めることは出来ません。
その後、銀行は保証会社から一括弁済を受け、住宅ローンの債権は保証会社に移行します。
これを「代位弁済」といいます。
代位弁済の手続きが終了したら通知とともに、債権者が保証会社に移行したことが伝えられます。
保証会社からは、
・競売の手続きをしていく
・任意売却を勧める
(参考:https://www.jhf.go.jp/loan/hensai/baikyaku.html)
・弁護士に債務について依頼しているか
という内容の話があります。
保証会社によっては、
・任意売却を勧める提案がない。
・任意売却期間を取れないため、競売手続きと並行して任意売却活動を行ってください
ということもありますので、事前に相談をしていただけると準備がしやすいです。
そしていきなり競売開始決定の通知が裁判所から届くことになります。
住宅ローンが払えていなくても銀行担当者、債権回収部署の担当者と連絡をしっかり取っていると、この時期を大体ですが教えてもらえます。
また、これ以前に任意売却のご相談をしていただき、弊社でも債権者と連絡を取っていると、競売の申立てを約3ヵ月-6ヵ月間はせずに、任意売却期間をいただけます。
債権者や今までのあなたの対応によっては「任意売却期間」がもらえない場合がありますので、やはり任意売却の相談は早めにされた方が、新生活に向けての準備がしやすいと思います。
住宅ローンが払えなくなって約4ヵ月~6ヵ月が経つ(金融機関とあなたの対応によります)と、住宅ローンを借入していた銀行は、保証会社からの代位弁済を受けているため、あなたが話す相手は、代位弁済をした保証会社になります。
ただ、保証会社は代位弁済を済ませているので、住宅ローンの残債(遅延損害金含む)を一括返済しないと競売手続きを止めることは出来ないと言います。
そして、競売の申立て手続きを行い、裁判所から「競売開始決定通知」が届き、裁判所の執行官から「不動産の調査」を行う為、自宅を見に来る日程調整や、強制的に自宅内に入る日程を伝える手紙がきます。
何度も言いますが、任意売却のご相談をしていて、債権者と任意売却をする不動産会社とあなたが、しっかり話せていると「任意売却期間」をいただけます。
それだけで、「競売の申立てが約3カ月~約6ヵ月間伸びる」ことになります。
この時点であなたにできることは、
・任意売却の相談・依頼をして、今後の新生活に向けて準備をすること
・弁護士に債務整理、個人再生、自己破産の相談・依頼をすること
・裁判所の執行官・鑑定士が不動産の調査にくることへの対応
・突然自宅に来る任意売却を勧める不動産会社が悪徳業者でないかの見極めや対応
になります。
裁判所から「競売開始決定」がされると、不動産に「競売開始決定」が原因の「差押」登記がなされます。
それと同時に裁判所では「配当要求終期の公告」というものが公示され、それは裁判所に行けば「誰でも閲覧」することができるようになります。
各裁判所で多少違いはあると思いますが、概ね約4週間程閲覧できる期間があります。
「配当要求終期の公告」は、「この不動産は競売開始決定が出ました」ということを公告することで、利害関係人(その他の債権者)に、競売の落札となった場合、配当を受け取る権利があることを申し出てくださいという趣旨によるものです。
裁判所は、競売が終了した後、法律的に誰にいくら配当するかを確認しているだけで、あなたに対して悪意があるわけではありません。
(参考【横浜地方裁判所】:https://www.courts.go.jp/yokohama/saiban/tetuzuki/index.html)
この「配当要求終期の公告」を裁判所で閲覧し、あなたの不動産について「謄本」を取得することで、不動産会社があなたの自宅に手紙を送ったり、突然訪問にきたりすることになります。不動産会社以外にも、司法書士、行政書士、NPO法人、社団法人、貸金業者等からも手紙がきます。
・司法書士・・・債務整理の営業か任意売却を勧める営業(結局、不動産会社を紹介)
・行政書士・・・任意売却を勧める営業(結局、不動産会社を紹介)
・貸金業者・・・お金を貸せる営業(ほとんどが貸してくれず任意売却する会社を紹介)
・NPO法人・・・任意売却を勧める営業(結局、不動産会社を紹介)
・社団法人・・・任意売却を勧める営業(結局、不動産会社を紹介)
ほとんどがこのようなお手紙です。
なんとなく分かると思いますが、不動産会社が主体となって任意売却の依頼を受けるために、士業・金融機関・NPO法人(弁護士の広告規制排除のため)・社団法人(弁護士の広告規制排除のため)・信用できそうな先生の名前と顔で一緒に広告をしているのです。
そもそも任意売却は不動産の売却業務なのに、不動産業の免許を持ってない団体や会社が任意売却を勧めるなんておかしいですよね。
とはいえ、しっかり任意売却が成功した方もいるでしょうし、皆さんのことを一生懸命考えて仕事をしている方もいると思うので絶対ダメとは言いませんが、私は任意売却の相談・依頼先としてはおススメしません。
また、突然訪問にくる不動産会社の中には、
・競売を遅らせる・競売の取下げを裏技があるから、先に○○万円用意してくれ
・この不動産なら、任意売却をすれば必ず100万、200万用意できます
・必ずリースバックや親族間売買で、このまま住めるようにしてあげます
という謳い文句で強引に依頼を獲得しようとする不動産会社もいます。
「必ずできる」という話で依頼の獲得だけでも強引ですが、先に○○万円用意してくれというのは、もはや詐欺と変わらないと思います。
各債権者・裁判所の手続きは公平な法律を基にして行われています。裏技などありません。
あなたにとって良い話に聞こえてしまうとは思いますが、このような会社の話は絶対に聞かないように注意してください。
住宅ローンが払えなくなって9カ月となった時に、あなたができることは
・早急に任意売却の相談・依頼をすること
・競売を待つ
・引越先を探す
ことになります。
裁判所の執行官が不動産の調査をして約2ヵ月~約3カ月後に、あなたの不動産の評価額といつ競売の入札が始まるかの手紙が届きます。
その後1カ月程【住宅ローンが払えなくなって約9カ月~12カ月】で、あなたの不動産を調査した結果が裁判所にて公告されます。
これは、インターネットでも公開されるもので、執行官が自宅で撮影した写真等も掲載されます。
(参考【BIT 不動産競売物件情報サービス】:https://www.bit.courts.go.jp/app/top/pt001/h01)
その手紙に開札期日が記載されています。
その開札期日の前日が、任意売却ができる最終日です。
任意売却をする場合は、それまでに購入する方を見つけて、競売を取り下げる準備が終わっていないといけません。任意売却を検討されるなら早すぎることはありませんので、不安だと思った時にご連絡ください。
ここまでどのような対応をしてきたかで、多少の誤差はありますが、住宅ローンが払えなくなって最短約10カ月~約14カ月ほどで競売による売却が終了します。
最後に
弊社は、任意売却が成功した場合のみ、債権者から報酬をいただく形なので、お客様に相談・ご依頼・解決までにリスクはありません。
任意売却の失敗というのは、競売までなにも動かなかった方と同じ結果になります。しかし、競売までの対応や落札後の対応の仕方や、今後についてのアドバイスと準備ができる為、ご相談をしていただいた方が絶対に良いと思っています。
誰にも相談のできない悩みを打ち明けるのには、相当な勇気がいることだと思います。
しかし、私がお客様の味方になり、これからの新生活に向けてお力になります。
「相談して良かった」と思っていただけるはずです。
大丈夫ですので安心してお電話・メール・LINEにてご相談ください。