こちらのブログでは、任意売却とはなにか、どんなメリットやデメリットがあるか、どのように手続きを進めれば良いのかが分かります。
任意売却は、相談をしにくい内容なので、多くの方がどこかに相談したいのに、相談をせず競売を受け入れてしまう傾向にある方法の一つです。
しかし、競売で強制的な処理をされるより、任意売却を自主的に専門会社へ相談することで、不動産や住宅ローンの問題を解決するための強力な武器となります。
こんにちは!
横浜市中区の不動産会社、株式会社ファインエステートの伊東と申します。
私は、横浜市を中心に神奈川県・東京で任意売却を専門として、2007年頃より不動産売却のお手伝いをさせていただいております。相談実績は1500件を超えることになりました。
今までの経験と実績から「任意売却とは?」をテーマに初めてこの言葉を知った方に対して分かりやすく解説していきます。
目次から、あなたが知りたい内容をクリックしてください。
目次:任意売却とは?基本知識:初めて言葉を知った方でも分かる完全ガイド
1.任意売却とは
任意売却とは、住宅ローン等の滞納で、滞納が続く状況に陥った方が、競売などの法的手続きを避けるため(競売取下げ)に、債権者(金融機関)との合意に基づいて自らの意思で所有する不動産を売却することを言います。
債務者が住宅ローン等の返済能力を失い、滞納状態に陥ってしまった場合、自己破産や個人再生といった法的手続きをとることができますが、これらの手続きは、債務者に多大な精神的、経済的負担(弁護士費用や引越費用等)を与えることになります。
任意売却は、このような場合に有効な手段の一つであり、手続きが比較的簡単(専門会社に依頼等)で経済的負担はなく、債務者の自主性が尊重される点が特徴です。
任意売却には、専門的な知識や経験が必要なため、専門の不動産会社に相談することが重要です。
→もっと詳しく知りたい方は「任意売却とは」へ
1-1.任意売却の定義と概要の説明
任意売却とは、住宅ローン等の金融機関からの借入金の返済ができなくなり、競売を回避するため、自己所有の不動産を、残債の完済ができないものの、市場価格で売却する手続きのことを指します。(ご相談の内容により完済ができるケースもあります)
住宅ローン等の返済が滞納状態に陥ると、金融機関は強制執行手続き(競売手続き)を取りますが、任意売却は自主的に行われる手続きであり、競売開札日の前日までに成功している必要があります。(相談が早いと債権者が任意売却期間を用意してくれる場合があります)
任意売却は、不動産を売却をすることです。
任意売却によって得られた売却代金は、住宅ローン等の残債に対しての返済に充てられます。その際に、引越費用や滞納税の解除費用、不動産売却に係わる諸経費を、債権者(金融機関)に負担してもらう為、抵当権の解除をする債権者(金融機関)の同意が必要です。
また、依頼を受けた不動産会社が債権者とお客様の間に入って話し合いをするため、お客様自身の手続きは比較的簡単です。
そして、不動産の一般市場で、一般相場での販売活動をすることに債権者が応じてくれるため、購入者が見つかりやすく、お客様にとっては負担が少ない手続きです。
また、競売に比べて売却価格が高くなるため、債権者が費用負担に同意してくれるというカラクリです。
しかし、任意売却にはいくつかの注意点があります。
例えば、売却代金が負債額を下回る場合、差額分の債務は残ります。 これらに関しては債権者と毎月どのくらい支払いができるかを話し合う必要があります。
一般的には、現在の生活状況から無理のない金額での、分割支払いが認めてもらえます。
さらに、売却前に債権者の同意を得る必要があるため、一つ一つのケースに違いがあり、手続きに時間がかかる案件もあります。
強制的な競売と比較すれば、任意で行えるため、お客様のタイミングに合わせることも可能です。
以上のように、任意売却は住宅ローン等の滞納により、競売を待つだけではどうにもならない問題の解決手段の一つとして選択できる方法です。
しかし、手続きや注意点を理解した上で、適切に判断する必要があります。
1-2.なぜ任意売却が必要なのか
任意売却は、競売よりも高値で不動産を売却できるため、債務の返済や生活の再建に向けて有効な手段となります。 また、滞納税金の差押がある場合には、税金を支払うことができる場合があります。さらに、引越し費用を負担してもらえる場合もあり、住み続けることができる場合もあります。 これらは競売よりも高値で売却できる任意売却だからこそ、債権者が費用捻出に対して前向きな話し合いができることとなるので、任意売却でなければこの費用が生まれません。 また、専門的な知識を持った任意売却専門会社に依頼することで、スムーズに手続きを進めることができます。 任意売却に豊かな実績と経験を持った会社は、債権者と話し合いをするため、物件の評価や販売価格の査定、売却方法のアドバイスなど、必要なサポートを提供し、「お客様に代わり」債権者と話し合いを行ってくれます。特に、精神的な負担を強いられる部分でもサポートを行える点でも、任意売却は必要だと言えるでしょう。 そして、債権者も競売の申立てをする前に、お客様へ任意売却を勧める手紙を送っています。(→住宅金融公庫:融資住宅等の任意売却はこちらから) 以上のように、競売に比べ任意売却は多くの場合において有効な手段となるので、任意売却が必要な方は、早めにご相談をすることで解決までの選択肢が増えることとなります。 しかし、自己破産や個人再生などの法的手続きが必要な場合には、任意売却だけでは解決できない場合があります。 そのため、事前に任意売却専門会社へ相談することが必要です。 任意売却を終えてから自己破産をするほうが、お客様の生活がより安定します。 こちらの手続きは弁護士でなければできないので、提携の弁護士をご紹介させていただきます。
2-3.任意売却の歴史や現状について
任意売却の歴史について定かな情報はありません。
ただ、不動産売却が現代的な「市場経済」に基づく取引として確立されたのは、明治時代以降になります。
任意売却は、不動産を購入する代金を金融機関から調達し、その支払いができないことで不動産を売却することになります。
よって、任意売却や競売の始まりも「不動産の法制度が導入された明治時代」になるのかと思います。
それ以前でも、債権者の自己裁量に基づき担保物件を売却していたことになりますので、「任意売却」という言葉はなかったかもしれませんが、任意売却と同じ意味の債権回収方法はこの時代からあったと思われます。
現状として、2021年度での住宅金融公庫(フラット35)での90日以上滞納のリスク債権は約2000億円を上回っていると報告されています。
→(日本住宅金融公庫2021年度リスク管理債権P.27をご参照ください)
これ以降に新型コロナウィルス感染症の影響もでてきているはずですので、任意売却が必要な方は増えているのが現状ではないでしょうか。
2.任意売却と競売の違い
任意売却と競売の違いについては以下の通りです。
2-1.任意売却について
お客様が自主的に不動産を売却すること
債権者による担保権の行使がないため、債権者の同意により不動産を売却できる
売却後、お客様に残る債務額がある場合でも、債権者との間で返済方法の話し合いができる
市場価格での売却ができるため、完済もあり得る
購入者の協力により住み続けることも可能(→詳しくは、任意売却によるリースバックについて)
2-2.競売について
債権者が不動産を強制的に売却すること。債権者が裁判所に強制執行の手続きを行い、強制執行の方法として競売を申し立てます
競売により落札される金額は市場価格の70%~80%となる傾向がある(入札に伴い室内等の確認ができないため)
強制的に裁判所が用意したスケジュールで売却が進む
落札する人がどんな業者なのか、どんな個人なのか分からない
引越先が決まっていなくても退去しなくてはならない(落札者が裁判所に強制退去手続きを申請します)
競売物件としてインターネットや情報誌に掲載される(→BIT|不動産競売物件情報サイトはこちらから)
2-3.任意売却と競売の違いについて
任意売却ではお客様が主体となり、不動産の売却について進めていくことができます。 売却できる金額が、当然競売よりも高くなるため、債権者が引越費用等を負担してくれるなど、お客様にとって有利な方法です。
一方、競売は債権者の手続きによって裁判所が強制的に不動産を売却するため、落札価格が債務額を大幅に下回る傾向が強く、お客様にも債権者にとっても不利な方法となります。
しかし、任意売却を知らない債務者もいるため、債権者にとっては競売で債権回収を行わなければならないのが現状なのです。
3.任意売却のメリットとデメリット
任意売却には、メリットとデメリットが存在します。 これらを正しく理解して、任意売却の相談をするかを考えてみてください。
3-1.任意売却のメリット
任意売却は、自宅などの不動産を所有し、住宅ローン等の返済が困難になった場合に、債権者との合意に基づいて行う不動産売却の手続きです。
この「任意売却」には、以下のようなメリットがあります。
1.競売より高く売れる
競売は、強制的に行われ、入札する方は不動産の情報を「競売3点セット」というものを、インターネットや裁判所で確認するしかありません。その為、市場価格の70%~80%程度で落札される傾向にあります。 実際に「内見」をすることができる任意売却は、一般市場価格で売却することができます。
2.引越費用がもらえる
3.滞納税金の差押を解除できる
4.リースバックで住み続けることができる
5.債権者が売却諸経費を負担してくれます
6.残債減額の可能性
3-2.任意売却のデメリット
「任意売却」は住宅ローンなどの債務を完済できない場合に、債権者との協議によって自己の不動産を売却し、その代金で債務を返済する手続きです。 競売よりもメリットが多いのは間違いない事実ですが、いくつかのデメリットがあることも覚えておく必要があります。(→詳しく知りたい方は、任意売却のデメリットへ)
1.債権者と連絡を取る必要がある
任意売却をすることを「不動産会社に依頼した」と伝えていただく必要があるからです。任意売却は様々なケースがあるので、その後もお客様にご協力いただくことがあります。
2.内見の立会が必要になる
3.任意売却を依頼する不動産会社を探す必要がある
任意売却のメリットとデメリットがしっかりと理解でき、誰かに相談をしたいと思っていただけたら、ぜひお電話をいただければと思います。
株式会社ファインエステート
フリーダイアル:0120-574-701
4.任意売却の流れ
4-1.任意売却に至るまでの流れ
任意売却を検討する方の多くは、 「住宅ローンが払えない」 「税金の支払いを後回しにしている」 「管理費等の滞納をしてしまっている」 「その他にも借入をしている」 このような状況になってしまった方が「任意売却」を検討することになります。
また、ご相談が一番多いタイミングは「競売開始決定通知が届き、裁判所から執行官が自宅に来る手紙がきた」ことをきっかけに、勇気を出して相談をされるケースが多いです。
4-2.任意売却の手続きの流れ
不動産会社の選定 まずは、任意売却をするために信頼できる不動産会社を選びましょう。 任意売却ができるのは、不動産会社だけです。 弁護士や司法書士には不動産取引は扱えません。(宅地建物取引業の免許が必要) その為、○○協会、NPO支援団体等は不動産会社の斡旋することで手数料を得たり、最悪、その団体自体が実は不動産会社で支援団体が仮の姿ということがあります。 ご相談の段階から弁護士等の名前で信用させ、実際自宅に相談にくるのは「不動産会社」では、あなたもびっくりされるのではないでしょうか。 お問い合わせした団体にでている先生がしっかり対応してくれましたか? 疑問に思うことが少しでもあったら立ち止まることも大切です。 その為、しっかりと任意売却を専門的に扱っている不動産会社を選定することが大事になります。 広告やホームページの運営は不動産会社がしていると公言しているほうが、まだしっかりとした考え方で任意売却支援をしていると思います。 また、任意売却の場合、依頼した会社、担当者の力量や対応が非常に重要です。 お客様が不動産会社を選ぶ際には、会社の信頼性や実績、担当者の経験や知識、対応の良さなどを確認することが大切です。 お客様や債権者と直接話すのは会社ではなく担当者ですから。 良い不動産会社や担当者と出会うことで、円滑な任意売却を行うことができるだけでなく、お客様にとっての負担が軽減されることもあります。 例えば、お客様にとって都合の良い引越先や引越しのタイミングを提案してくれたり、その他の借入や滞納についてもしっかりと向き合ってくれます。 不動産会社や担当者によっては、「対応が遅い」「お客様にとって都合が悪い提案」「なんでもできると言っていたのに失敗した」「成功させるための提案がない」などのトラブルもあるため、選び方には注意が必要です。 事前に相談し、信頼できる担当者を選ぶことが大切です。 →詳しく知りたい場合は、任意売却の依頼先へ
任意売却の申し出 不動産会社を選定したら、サポートをしてもらいながら、債権者に任意売却の申し出をしていきましょう。債権者も任意売却に同意するかどうかを検討します。
不動産会社による査定 任意売却の申し出と不動産の査定については、ほとんど同時進行です。 債権者が「任意売却の申し出に同意した場合」や「購入者の条件を教えてほしい」「販売する価格を査定してほしい」「販売価格は債権者が指定する」等、債権者によって任意売却のスタンスはまちまちです。 なので不動産会社は予め物件の査定を行います。この査定に基づいて、任意売却の最終的な売却価格や引越費用の捻出等を、債権者と話し合います。 任意売却の専門会社なら、債権者の名前を聞いただけで対応方法が分かっていますので、お客様に適切なアドバイスをすることが可能です。
任意売却の売却活動 お客様の不動産を売却する為、依頼した不動産会社が売却活動を行います。 任意売却の専門会社は、特殊なお客様も抱えている会社が多いです。 この場合、相談・依頼をしたら「すぐ解決した」ということになります。 任意売却ならではの売却条件等もあるため、詳しく担当者とお話してください。
購入者と売買契約の締結 購入者が見つかり売却条件が決定したら、購入者と売買契約を締結します。 債権者によっては、購入者の条件で、先に交渉を行い、同意・承諾が取れてから売買契約を行うこともあります。 このあたりの上手な加減についても任意売却専門会社の経験がものをいいます。
物件の引き渡しと決済 契約が締結されたら、購入者の住宅ローン等の資金の準備を待ちます。 その間にこちらは引越しをしていきます。 そして鍵をお渡しする準備を整え、物件を買主に引き渡します。 その決済の場で、債権者や差押権者に売却代金を返済に充てる手続きを行うことで任意売却は完了となります。
4-3.任意売却の完了後の流れ
任意売却が完了する時に、任意売却で得られた売却代金から、引越費用、管理費等の滞納解消、滞納税の差押解消等を債権者が負担してくれます。残った売却代金を返済に充てる手続きを済ませています。 そこで、売却代金が債務の残額を下回ってしまった場合は、お客様は残債を抱えたままになってしまいます。 この場合、債権者との話し合いによって返済計画を立てたり(お客様と私たちで出来ます)、債務整理を行ったりすること(士業の協力が必要)が必要です。 債務整理には、任意整理、個人再生、自己破産などがあります。債務整理を行うことで、返済期間を延ばしたり、返済額を減額することができます。 これは当事者間の話し合いによって解決できることも多々あるので、弁護士や司法書士が必要ない場合もあります。 また、お客様自身が、自己破産を選択することもできます。 自己破産をすると、債務を完全に免除されることができますが、長期的に個人信用情報に影響を与えることになります。 任意売却をしたこと自体は個人信用情報に記載されることはありません。 しかし、自己破産をしたことは、個人信用情報に記載がされます。 また官報という新聞に掲載されるため、誰でも見ることができます。 掲載後30日間は、インターネットで無料で見られます。 (官報→本紙→公告・裁判所・相続、失踪、除権決定、破産、免責、再生関係で見ることができます) 債務整理や自己破産を選択する場合は、弁護士等の資格を持った先生が手続きをすることが必要です。 また、債務整理や自己破産には、一定の条件があります。詳細は提携の弁護士をご紹介致しますので、ご相談してください。弁護士等の相談費用は無料です。
5.任意売却の手続きに必要な情報と書類
任意売却は不動産取引の中の一つの方法です。 任意売却をスムーズに依頼・成功させるために用意しておきたいものをお伝えします。 ただ、基本的にこれらが揃わなくても、任意売却を専門としている会社なら、最低限必要なことだけをお聞きして進めていくことが可能です。
5-1.任意売却の手続きに必要な情報
物件の所在地(任意売却するご自宅等の住所)
物件の間取図(購入時の資料)
お客様の氏名、連絡先
5-2.任意売却に必要な書類
債権者からのハガキや手紙(連絡先や担当者の確認)
住宅ローンの残債金額が確認できるもの
差押えされた滞納税がある場合、その金額が確認できるもの
マンションの管理費等を滞納している場合、その金額が確認できるもの ※お客様に必要な情報と解決策を提供するため
不動産の権利証(登記識別情報)※必要なのは決済時
5-3.任意売却の準備とポイント
任意売却を依頼するには、以上のものが揃えられていると、専門会社も非常にスムーズな手続きを行うことが可能です。より早くお客様のご希望に答えられると思います。
注意点としては、これらが全て揃っていなくても専門会社は任意売却を進めることができることです。
準備が難しいものや、失くしてしまったものもあるでしょう。 「あれもこれも全部準備して」と頑なに言ってくる不動産会社であれば注意を払って進めていくか、別の専門会社に依頼することを検討してください。
6.任意売却の費用
任意売却にかかるお客様負担の費用は0円です。相談から解決まで一切ありません。
しかし、不動産の取引である以上、費用がかかっています。 これらは売却代金から債権者が費用を負担することで捻出されています。
具体的には、
1.登記費用(抵当権抹消費用)
約15,000円~30,000円程かかります。 司法書士に支払う費用です。
2.引越をする費用
3.滞納税などの差押解除にかかる費用
4.管理費などの滞納を解消する費用
5.仲介手数料
6.後順位の債権者に支払うハンコ代
7.破産財団組入金
これらの費用は、売却代金の中から承諾をいただくことで債権者が負担をしてくれます。
例えば、すべての費用に300万円必要だったとします。
売却代金が3000万円だった場合、債権者は、300万円をお客様の為に使用してくれ、残った2700万円の返済を受け入れ回収するということになります。
その為、お客様が持ち出して負担する費用がかからないのです。 辛い督促もあったと思いますが、債権者様に感謝してください。
7.任意売却の注意点 任意売却をする上で、お客様が注意しておかなければいけないことが多々あります。 これらの知識を身につけ、ご自身を守れるようになっておきましょう。
7-1.任意売却の注意すべき点
悪徳業者が存在すること
任意売却という特殊な不動産取引を行うにあたって、お客様の知識不足を逆手にとり、高額なアドバイス料を請求する業者も存在します。 よくあるトラブルは「競売の時期を遅くする特別なアドバイスをする」「必ず100万円以上の引越代を用意する」「任意売却の依頼を受ける時に金銭を要求する」等です。 これらの話にはなんの根拠もなく、お客様の気を引くための言葉だったりします。 気を付けてください。
必ず成功するとは限らない
任意売却終了後には、お客様の希望に合わせた債務整理や自己破産の検討が必要
売却後に物件のトラブルが発生する場合がある
7-2.任意売却のトラブル回避のためのポイント
基本的に、任意売却の専門会社であれば上記のトラブルが起きることはありませんが、依頼する不動産会社の選定次第では、このトラブル回避のポイントは役に立つと思います。
1.悪徳業者に騙されないためには
お客様自身が知識を身につける必要があります。 このブログや弊社のホームページを読んでいただいたり、「その業者がお客様に対して良いことばかり伝えていないか」「デメリットについて話してくれるか」等、あなたが疑問に思ったことを素直に聞いて、その反応を見ることをお勧めします。 弊社もセカンドオピニオンとして相談を無料で行っていますので、ぜひお問い合わせください。
2.任意売却が成功しないこともある
3.任意売却終了後の相談
4.売却後に物件のトラブルが発生する可能性がある
8.任意売却と自己破産の違い
よく任意売却と自己破産を混同されて相談にくる方がいらっしゃいます。
明確に違うものですので、解説していきます。
8-1.任意売却と自己破産の違いについて
任意売却と自己破産は、どちらもお客様の住宅ローンの滞納やその他借入等の問題を解決するための手段ですが、その方法や影響範囲が異なります。 まず、任意売却は、住宅ローン等を滞納状態にある債務者が、自ら所有する不動産を売却して、売却代金を債務の返済に充てる手続きのことです。 これによって債務を一定程度解消できますが、完全に債務がなくなるわけではありません。また、任意売却を成功させても、債務が残る場合には、残りの債務を放置しておくわけにはいかず、債権者に対して返済を続けていくか、債務整理や自己破産などを検討していくかとなります。 一方、自己破産は、借金返済が不可能なほど多額の債務に陥ってしまった方が、裁判所から債務の免責を受ける手続きのことです。 自己破産をすることで、債務が完全になくなり、借金返済に苦しむことがなくなります。 しかし、自己破産をすると信用情報が悪化し、将来的な借り入れが制限されるなどの影響が出ることがあります。 つまり、任意売却は不動産を売却することで、競売以上の効果を持ちながら、債務を一定程度解消する手続きであり、自己破産は債務免除を受ける手続きであるという違いがあります。 どちらの方法も、自身の状況に合わせて適切に選ぶことが大切です。
8-2.任意売却と自己破産、どちらを選ぶべきか
任意売却と自己破産は、状況によって最適な方法が異なります。 住宅ローンを滞納している場合は、任意売却の方がより現実的な選択肢となる場合が多いと考えられています。 自己破産は、債務整理の中でも最も厳しい方法の一つであり、信用情報に長期間残ります。 また、自己破産をすることで、自宅は競売で強制的に売却されます。 ※自己破産をしながら任意売却を行うことも可能です。任意売却をしたい場合は、専門会社に相談の上、自身が依頼した弁護士に相談してみましょう。 自宅は必ず失ってしまうので、引越先を見つけられないと住宅を失う可能性があります。 住宅を確保することが必要な場合は、任意売却を選択する方が適切だと思います。 この場合の住宅とは引越し先のことです。 任意売却なら、引越先や引越しのタイミング等の相談も可能です。 ただし、任意売却によって債務を完済できなかった場合は、残債について債権者との交渉や、自己破産の申し立てを行う必要がある場合もあります。 ただ私が任意売却を勧める上で、重要なことがいくつかあるのでお伝えします。 任意売却をすることで、引越費用がもらえる。 そして、私たちは引越し先を探し、お客様の住宅を確保することができます。 税金等の差押えがある場合、任意売却をすることで、滞納税の差押金額を債権者が売却代金から負担をしてくれます。 自己破産では、税金の支払いは免除されません。 任意売却で滞納税の支払いをしてから、自己破産する方が、お客様の今後の生活に最も良い方法だと思います。 もちろん自己破産はしなくても良いのです。 弁護士が勧めるからといって、「自己破産をしないといけない」わけではなく、自己破産をするかどうかはお客様自身が決めることです。 自己破産をしたくない人が無理にすることはありません。 その為に任意売却を成功させ、債権者と良好な関係を保つことで、将来的にも無理のない返済計画を認めてもらうのです。 任意売却後、自己破産をしないで10年後に「やっとですが完済ができました」と喜んでご連絡をしてくださるお客様もいらっしゃいます。
9.任意売却の成功事例・失敗事例
今まで見てきた任意売却を実際に依頼するとどうなるのか。 「任意売却が成功した方」のポイントや、「失敗してしまった方」のポイントを事例を見ながら解説していきます。
9-1.任意売却の成功事例
任意売却の成功事例①
成功事例① 神奈川県横浜市中区 男性 50代 25年前に4000万円で購入したマンション 家族3人暮らし
順調に住宅ローンの返済をしていて完済まであと10年というところで、病気により仕事ができなくなってしまった方からのご相談でした。 病気が治るまで2年近く、今までの貯金を切り崩しながら生活をしていたそうです。
病気が治り、やっと仕事に復帰しようと就職活動をされていても、1年近く採用まで辿りつけなかったと話していました。 その間にお子様の学費等にもお金がかかり、奥様の収入だけでは厳しかったそうです。
いよいよ住宅ローンが払えなくなって3か月が経ち、弊社に相談がありました。
住宅ローンが払えなくなる不安から、マンション等の管理費の引き落としができないようにしたり、固定資産税や病気で仕事をリストラされた時に出た税金をそのまま払わないことで、貯金を崩しながらも住宅ローンは支払っていたそうです。
自宅を失いたくないことから、なかなか任意売却については目を逸らしていたそうですが、住宅ローンの滞納が始まってからは、家族の今後の生活を考え相談に踏み切ったそうです。
任意売却の相談後、そのままご依頼をいただきました。
成功までかかった期間は4ヵ月程度。 この間に就職もできたため、自宅を手放す寂しい想いは私も受け止めますが、今後の生活に不安はなくなるかと思います。
弊社にて各債権者と話し合いと物件の査定を行なったところ、全てを完済できる可能性が見つかり、無事に購入者を見つけ、最高な形で成功することができました。
担当者が成功したポイントを解説
しっかりとした査定を行うと完済の道が残されている内容だと分かりました。
相談の時点で、これ以上住宅ローンの滞納が続いてしまうと、債権者が競売の申立てをするギリギリの段階です。
債権者と話し合いをすることで、競売申立てまで「任意売却期間」をもらうができたため「競売申立の費用」(債権者が手続きをしますが、お客様が費用負担することになります)がかからなくて済みました。
この行動ができたことで、引越先の準備もしつつ、完済を成功させ、今後の生活への役に立てたと思います。
任意売却の専門会社でなければ、思いつかない方法での解決だと思います。
任意売却の成功事例②
成功事例② 神奈川県横須賀市 男性 60代
実家に母親と二人暮らし
このご相談は、親の介護の為、実家に戻ってきたことで、転職をしたため収入が今までの3分の1になってしまい、いままで借入をしていたお金が払えなくなってしまった。また、親の介護で時間と費用がかかってきてしまったという相談です。 住宅ローンがないのは救いですが、税金の滞納での差押えや車の残債、その他借入は父親の葬儀費用ということでした。
お母さまの介護でまだ一緒に暮らしている為、お引越しは難しくリースバックで住み続けるような売却がご希望です。 物件自体も山を階段を上っていく途中にあるご自宅でしたので、物件の査定額も300万円程度でした。 ただ価格自体は低いため、投資家様がリースバックなら「なおさら喜んで」とのことで、ご依頼から1ヵ月ほどで350万円での売却を実現しました。
担当者が成功したポイントを解説
今回ポイントになるのは、滞納税金の差押をしっかり解除をおこなう部分です。 各債権者との交渉を行い、返済順位をこちらの希望にさせてもらえたところが成功のポイントになりました。
本来は全て払わなければ成立しませんが、弊社が任意売却に取り組むことで、残債が残ってしまう部分には返済計画も出し、交渉を成立させ、任意売却の成功となりました。
ご家族想いのお客様へのリースバックのご希望を叶えられてホッとしております。
任意売却の成功事例③
神奈川県横浜市神奈川区 男性 60代
15年前に購入した5000万円の戸建て
1人暮らし
こちらのご相談は、50代になってから住宅をフルローン(購入時諸費用も借入)で購入された方からのものです。
購入した時は、その頃にご結婚されたとのことで意気揚々と、奥様が気に入った物件を、住宅ローンが通ったことが自信になったこと、奥様も働かれていたので不安もなく購入に踏み切ったとのことでした。
しかし、退職まであと3年ほどのある状態で「離婚」することになってしまったそうです。
その為、ご家庭での収入状況がいきなり悪化し、離婚後6ヵ月ほどで住宅ローンが払えなくなってしまいました。
固定資産税の支払もできなくなり、住宅ローン滞納8ヵ月、固定資産税の差押が自宅に入ったことをきっかけに弊社にご相談をいただきました。
離婚後に生活する気力を失ってしまわれていたようで、家の使用状況が悪く、ゴミ屋敷となってしまっていました。 本当に辛い中、相談をするにも勇気が必要だったと思います。
ご依頼をいただいてからは3か月程で任意売却が決まりました。
無事に滞納税金を支払う事ができ、お引越し先も見つかり、残債のお支払いも月々5000円ずつというような話し合いで纏まることで任意売却が成功しました。
担当者が成功したポイントを解説
住宅ローンの残債を大きく下回ってしまう売却価格の為、債権者との交渉が非常にシビアな事例です。
競売まで時間があったため、しっかりとした査定と、競売3点セットの中にある「評価書」をかなり早い段階で見ることができたのが成功のポイントです。
「評価書」の金額から、競売よりも、任意売却を行う弊社の査定価格、そして実際の成約価格が、債権者にメリットがある取引であると認識してもらうことができました。
その結果、滞納税金を解消し、今後の生活がしやすい環境を整えることができたと思います。
9-2.任意売却の失敗事例
任意売却の失敗事例①
千葉県松戸市 女性 50代
お子様と3人暮らし
こちらのご相談は、千葉県松戸市からインターネットを見てご相談をいただいたケースです。
弊社では、横浜を中心に神奈川県・東京都と弊社から2時間以内に対応できる範囲での活動を行っているため、ご依頼自体を受けることはありませんでしたが、随時アドバイスをさせていただいていたので後日談もお伺いすることができました。
初めてご相談いただいた時点で、「競売開始決定」がなされた直後の段階でした。それもそのはずで、離婚されていたお客様は、「元ご主人に養育費の代わりとして、住宅ローンの支払いとマンションの管理費等の支払いを任せていた」のです。
元ご主人は、いつの日か全ての支払いをストップしていたようで、お客様からしたら「なんの前触れもなく裁判所の執行官が自宅にいつくるかの手紙」がきたことになります。
その後、不動産会社に任意売却のご依頼をしたいとのことでしたが、「元ご主人」の居場所が分からない状態で、電話連絡はたまに繋がるらしいですが、自宅の売却に向けた協力を得ることができなかったそうです。
担当者が失敗してしまった理由を解説
元ご主人との連絡や普段の付き合いが希薄だったことが挙げられます。(どうしようもないこともあると思いますが・・・)
所有者の売却する意思がなければ任意売却は成立しないため、所有者である元ご主人が協力してくれなければ任意売却が成功することはありません。
ただ、今回任意売却ができなかったものの、お客様とお子様自体が住宅ローンや管理費等の滞納に関して引き継ぐことがない点は救いです。 競売で落札されるギリギリまで、少しずつ計画的にお金を貯めることで、引越する資金を作ることができたそうです。 「慌てて引越しをしなくて良かった」と、そのことを弊社にご連絡をいただけて少しでも役に立てたようで良かったと思います。
任意売却の失敗事例②
神奈川県平塚市 男性 30代
奥様とお子様と4人暮らし
ご相談は、住宅ローンが払えなくなって6ヵ月が経ち、「競売の申立て」をすると、債権者から通知があったことをきっかけにいろいろ調べていたようですが、弊社にご相談いただいたのは競売の開札日まであと2か月という段階でした。
まだ、家を建ててから6年程という物件で、かなり有名なハウスメーカーで建築されており、こだわりの仕様にびっくりしたことを憶えています。
ご主人は会社を辞めて、独立開業して1年程ということでしたが、独立してから利益が全く出せず「住宅ローンが払えなくなってしまった」とご相談がありました。
私がご相談に伺った時は、地元の不動産会社にて売却活動中でした。その地元の不動産会社には任意売却の知識も経験もなかったようで、「住宅ローンの残債は完済しないと売ること自体できない」「差額を埋めるだけの貯金はあるのか」と言っており、諸々の売却諸費用を考えると4300万円程で成約しなくてはならず、それは「地元の私たちでないとできない!」と頑なに言われ続けていたようです。 弊社の査定では3300万円程です。相場より1,000万円も高くては売れるものも売れません。(実際の競売での評価額は1700万円で、落札価格は2600万円でした)
しかしお客様はそれを信じて任せていたそうですが、競売まで2か月という段階になり、「媒介契約の期間が切れたので活動を終了する」と連絡があったそうです。とてもひどい話です。本当に許せません。
弊社にご相談後、そのままご依頼をいただき、その場で債権者との交渉をお客様の前で試みましたが、債権者は「前の不動産会社から4300万円で売れると聞いている」「競売開札まであと2カ月しかないので、いきなり不動産会社を変更して任意売却の検討をすることは難しい」と言われてしまい、任意売却は失敗となりました。
担当者が失敗してしまった理由を解説
今回失敗してしまったポイントは3つあります。 1つ目は、任意売却の知識と経験がない業者が相場とかけ離れた金額で売却活動を行っていたこと。 2つ目は、そのことを、あろうことか債権者にも伝えていたこと。 3つ目は、競売まで時間がなさすぎたことになります。
お客様はまだ30代と若く、任意売却が無事に3300万円でも成功していれば、今後自己破産をすることなく生活再建ができたと思うと悔しい気持ちになります。
弊社では、競売落札者との対応までアドバイスを行い、競売後の債務について弁護士のご紹介をさせていただきました。不動産会社ですので、当たり前ですが、弊社は任意売却が成功した時(不動産取引成立時)のみ、債権者が負担してくれる仲介手数料を頂戴しています。その為、ご相談や提携弁護士の紹介は無料です。
任意売却の失敗事例③
神奈川県横浜市南区 男性 40代
奥様と2人暮らし
この方のご相談は、住宅ローンが払えなくなる前の段階から、「そろそろ毎月の支払いができなくなりそう」とご相談をいただいておりました。
会社経営をされている方でしたが、新型コロナ感染症の影響もあり、一気に経営が傾いたとおっしゃられておりました。この時に社員の退職も重なってしまったそうです。
弊社で査定を行なったところ、売却金額は3380万円ほどで、完済するには難しい金額の為、任意売却ができるようになるまで待ちましょう。しかし「その間は完済できる価格3780万円での販売活動自体は行います」ということでご依頼をいただいておりました。
弊社の売却活動の努力成果も有り、ご案内は毎週のようにさせていただいていました。
2か月ほど経ち、いつものようにご案内の為、連絡をとろうと電話をしても、一切連絡がとれなくなってしまったのです。
このまま3か月以上連絡が取れなくなってしまったので、任意売却は失敗となりました。
担当者が失敗した理由を解説
任意売却について、ご依頼をいただいてもお客様と「連絡が取り合えない」ことになってしまうと私たちも対処ができません。また、債権者とも連絡を取り合って「任意売却についての報告」もしている為、状況をお話しすると任意売却には応じられないとなってしまいました。依頼をいただいた後で、連絡が取れなければ任意売却は失敗します。
後から知った話ですが、経営されていた会社は、社員もいなくなってしまい、新型コロナ感染症の影響で傾いた経営を建て直すことができず夜逃げされてしまったそうです。
お力になれなかったことが悔やまれます。
10.まとめ
住宅ローンが払えなくなってきてしまい、「任意売却」をという言葉を初めて知ったという方にも分かるよう完全ガイドを作成しました。 任意売却は、住宅ローンの返済が困難になった場合に有効な手段の一つです。 しかし、その注意点を把握せずに任意売却を行うと、思わぬトラブルや失敗にに巻き込まれる可能性があります。 そこで、この任意売却のブログを参考にしながら、任意売却について正確に理解し、安心してご相談いただければ幸いです。
11.さいごに
弊社は、任意売却が成功した場合のみ、債権者から報酬をいただく形なので、お客様に相談・ご依頼・解決までにリスクはありません。
任意売却の失敗というのは、競売までなにも動かなかった方と同じ結果になります。 しかし、競売までの対応や落札後の対応の仕方や、今後についてのアドバイスと準備ができる為、ご相談をしていただいた方が絶対に良いと思っています。
誰にも相談のできない悩みを打ち明けるのには、相当な勇気がいることだと思います。
しかし、私たち株式会社ファインエステートがお客様の味方になり、これからの新生活に向けてお力になります。
「相談して良かった」と思っていただけるはずですので、安心してお電話・メール・LINEにてご相談ください。
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